Erg Design NewsG-SHOCK記事


2009年8月 3日

G-SHOCK Ⅱ(2号)開発秘話


G-SHOCKは二階堂隆がデザインしました
G-SHOCK 特集-6

立て続けになりますが、今回はG-SHOCK Ⅱ(2号)の開発ストーリーをご紹介します。
この機種は二階堂が1984年、イタリアからの帰国直後にデザインしたものです。

二階堂隆のデザインしたG-SHOCK Ⅱ号

1-G-SHOCK Ⅱの持つ意味について
当時はまだG-SHOCKはボチボチアメリカで売れ始めた頃で、このような長いブームが訪れるとは誰も予測していませんでした。
しかし初代の開発チーム3人には「一年に一機種は新しい機能を持ったG-SHOCKを開発しよう!」という意気込みがありました。
この「G-SHOCK Ⅱ」というロゴは開発チームのプライドの現れです。
その後G-SHOCKはヒットしますが、結果としてこの機種が初代開発チームの手による最後の製品となりました。

2-二色成形ボタンについて
新しいG-SHOCKを開発するにあたって、新しい付加価値を追加しようとメンバーが知恵を出し合った結果、「アウトドアでの使用を考えると防泥機能がふさわしいだろう」という結論に至りました。
その結果採用されたのがこの「二色成形ボタン」です。
ベゼルとボタンは一体で成形されています。当時としてはかなり高度な成形技術でした。

3-H型ツク棒について
G-SHOCK Ⅱ号では、尾錠とツク棒も新規にデザインしました。
H型ツク棒は、バンドへのしっかりした固定感(食いつき感)を感じさせます。
この尾錠は現在も使用されています。

4-スクエア形状について
初期G-SHOCKはメタルケースの上からウレタンベゼルが覆う構造です。
初代G-SHOCKとG-SHOCK Ⅱ号とはメタルケースは共通です。
理由は初代のメタルケースの設計時、軽量化のため限界まで無駄な肉を削ぎ落としていたために、これ以上小さくできなかった事によるものです。
「いかにして初代からイメージを一新させるか」をデザインした結果がG-SHOCK Ⅱのスクエア形状です。

5-液晶セグメントについて
この液晶セグメントは、初代G-SHOCKの時に従来のセグメントではボリューム感が不足していたため、二階堂がG-SHOCKにふさわしくデザインし直したものです。
当時はパソコンはありませんでしたので、セグメントのデザインは手書きの図面から版下を起こしていました。大変に手間のかかる作業だったのです。

初代G-SHOCKはGマーク受賞はなりませんでしたが
この機種は1985年のグッドデザイン賞を受賞しています。

G-SHOCKのアイコン


G-SHOCKは二階堂隆がデザインしました
G-SHOCK 特集-5

初代G-SHOCKのデザインは、自分たちが感じているよりも皆様からの関心を持っていただいていると、嬉しく感じています。
そこで、G-SHOCKのアイコンについて開発当初の想いを、初めて言葉でご説明します。

二階堂隆によるG-SHOCKデザインの説明

1-G-SHOCKのネーミングとロゴについて
ネーミングに関して二階堂は、「G-SHOCK」という言葉が浮かんだ時「これしかない!」と確信しました。
しかし社内調整の必要性から数案を提示し、デザイン室内にてアンケートを取りました。
ちなみに、別案は「TRY-X」「ADVENTURE」「FRONTIER」などでしたがアンケートの結果も「G-SHOCK」が一番人気だった為、最終的に二階堂と企画の増田さんとで決定に至ったそうです。
「G-SHOCK」のロゴは[Eurostile Boid]をベースに平体をかけて力強い書体にしています。

2-SHOCK RESISTマークについて
このマークも初代からのものです。
新しいコンセプトの商品にはシンボルが必要であると感じて作成しました。
下向きの三角形は「落下する力」を表現しています。

3-黒のボディついて
当初の「G-SHOCK」のイメージカラーはブラック&レッドです。
ブラックの本体の意味する所は「精悍さ」です。
実際はブラックの樹脂が一番劣化しにくいという理由からも合理的な選択でした。

4-赤いラインについて
赤の表現するものは「アクティブ(情熱)」です。
男性用のウオッチに赤のラインを初めて使ったのは二階堂隆ですが
実は「G-SHOCK」以前に二階堂がデザインしたデジタルウオッチ/200m防水にて
最初に使っています。
二階堂にとってはその機種が「G-SHOCK」の原型と言えるそうです。

5-レンガパターンについて
初代G-SHOCKには、ガラス印刷で繊細なレンガパターンが印刷されています。
細かさは精密さ、レンガパターンは堅牢に積み上げたイメージを表現しています。
イメージの原点は、針金の入った強化ガラスからのインスピレーションです。


最後になりました。
皆様の興味もある事のようで「G-SHOCK」がヒットして
報酬はどのくらいあったのですか?
」と聞かれる事が有ります。
その時は、もちろん正直にお答え致します。
「当時、意匠登録をすると一律1500円が支給されました。
なのでビールで乾杯しておしまいでしたね。」

答えを聞いた方からは「質問して悪かったかなあ...」という空気が漂います。
今後は成果を報酬として還元し、デザイナーのみでなく社内の士気を高めて行くような企業が増える事を期待したいですね。

しかし、初代〜3代までのG-SHOCKを創った事。
当時の復刻版が現在も販売され、ファンの方々に喜んでいただけている事。
モノづくりの原点だった開発当時のストーリーに今でも興味を持っていただける事。
それらが一番の財産であると感じています。

2009年8月 2日

G-SHOCKのDNA


G-SHOCKは二階堂隆がデザインしました
G-SHOCK 特集-4

これまでデザイン上「G-SHOCKのDNA」という言葉で表現していたものには、分かり易い解説が不足していました。
そこで本日はG-SHOCKのDNAの3つのポイントについてお話ししましょう。

G-SHOCKのDNAはこちらの3つです☟
(写真は初代DW-5000の復刻版DW-5600:写真提供カシオ計算機(株)
エルグデザインによるG-SHOCKのDNA解説
  ☟3つ◯ボタンをクリックしてください。
  G-SHOCKのデザインDNA-1      G-SHOCKのデザインDNA-2      G-SHOCKのデザインDNA-3

DNA-1
G-SHOCKにはガラスの上を覆うプロテクター(ベゼル)があり、直接ガラスへの衝撃を吸収する機能を持たせています。
車に例えるとバンパーのようなものと言えます。

DNA-2
G-SHOCKの操作ボタンは、落下や衝撃で簡単にメイクしないように
ポップアップ画像の赤線で示すように、ケースを守るベゼルで保護されています。
「押し易くて、簡単にはメイクしないボタン」という矛盾した機能をどのようにクリアするか。
このテーマを得た当時の二階堂は、未知の正解に向けてに楽しみながらも、
このザグリ形状に至るまではかなり苦みも伴いながらデザインしたようです。
その甲斐があって、現在にも通じるDNAが生まれました。


DNA-3
G-SHOCKのバンドは、基本的にケース本体との一体構造になっています。
これは落下による衝撃を、バンドでも吸収する効果を狙ったものです。

以上の3つのDNAは初代にデザインされ、現在までずっと受け継がれています。
このような要素がG-SHOCKデザインのアイデンティティーになっています。

おまけですが、ベゼル部に「G-SHOCK」のロゴを入れる事も、初代からの伝統です。
「G-SHOCK」はネーミングもロゴ(+マーク)も二階堂隆の作成です。


2008年12月 2日

G-SHOCK 秘話-3


G-SHOCKは二階堂隆がデザインしました
G-SHOCK 特集-3

遅ればせながら、昨年のセミナーからの小耳はさみニュース続報です。

G-SHOCK開発ストーリーとして有名な「10mの高さである会社の3階のトイレの窓から試作品を落として耐衝撃の試行錯誤を繰り返した逸話」実話です。
それでは、なぜトイレの窓などという日陰の場所だったのでしょうか。

その答えは「会社からも他の社員から白い目で見られていたので、こっそりトイレの窓から投げるしか無かった...」らしいです。

今から28年も昔の開発チーム「PROJECT TEAM Tough」の青春時代のお話です。
G-SHOCK開発は、誰からも期待されず、どこからの口出しも無く、その分とても
自由な発想で商品開発ができたそうです。

ここでおまけのエピソード。
二階堂は、落下させた試作品を毎回3階から庭まで取りにいくのが面倒なので「いっそ紐でも付けて落としたらどうか。」と設計の伊部さんに提案した事がありました。
すると「それでは紐が邪魔して自由落下の条件を満たさないから駄目!」即刻却下されたらしいです。その時二階堂は、なるほど〜!の設計魂に感服したそうです。


■左からG-SHOCK1号.2号.3号(全て復刻版:写真はカシオ計算機デザイン部提供)
:クリックで拡大します

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2008年12月 1日

G-SHOCK 秘話-2


G-SHOCKは二階堂隆がデザインしました
G-SHOCK 特集-2

遅ればせながら、昨年のセミナーからの小耳はさみニュースです。

1981年、最初のG-SHOCKの企画デザインの開始当時の事。
耐衝撃構造に必然的な設計条件「でかい!重い!厚い!」
当時は「軽薄短小」がモダンで良い、とされていた時代です。
このネガティブな言葉を、二階堂隆はあるポジティブな言葉に置き換えてみました。

さて、その言葉をここにご紹介しましょう!
それは、でかい → 存在感  重い → 重量感  厚い → 信頼感  だそうです。
な〜るほど!
そしてこの発想の転換から、ボリューム感のある独創的な形状が生まれました。

  (クリックで拡大します)
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2008年6月 5日

G-SHOCK 25周年特集-1


nG-SHOCKは二階堂隆がデザインしました
G-SHOCK 25周年特集-1

2008年4月、エルグデザイン代表がネーミングとデザインを手がけた初代G-SHOCK(DW-5000)が、誕生から25周年を迎えました。
これを機にカシオは、スイスで行われた世界最大級の時計フェア/ バーゼルワールドに6年ぶりの復帰を果たしたそうです。また5月にはアメリカにて大掛かりな25周年記念イベントも開催されました。

人間にとって四半世紀の時間は長いようで短い。しかし、この四半世紀の地球の変化はあまりにも大きいものがあります。その変化の中でDW-5000はなぜ生き残ったのでしょうか。

代表にインタビューしてみました。

Q- G-SHOCKの初代モデルが25年も継続して販売されている理由は何だと思いますか?

初代モデルDW-5000のデザインは対衝撃性というG-SHOCKに絶対必要な要素のみを抽出し構成しています。無駄な要素を一切排除したG-SHOCKの本質、DNAとも呼べるものがDW-5000だと思います。
また、腕時計の新しいカテゴリーを確立した最初のモデルであるという付加価値が有ると思います。それが時代を経て、一般市場でスタンダードとして認知された事。
時代のテクノロジーに合わせて高機能化して来た事も不可欠な要素ですね。

g-shock1.jpg DW-5000

Q- DW-5000のデザインについて、何かエピソードがありましたら聞かせてください。

ある時カシオの方から、DW-5000が売れ続けている理由が、数学的に明らかになった、というお話を伺いました。それはすごい!
それはなんと、バランスが黄金比(1:1.618)を保っている!というのです。
しかし、当時は黄金比がいくつかも知らなかった私。理屈って後で付いて来るものなのだあなあ。とつくづく感心してしまいました。

■他にも代表に質問してみたい事がありましたら、エルグデザインまで!
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