スタッフ紹介二階堂隆隆の四方山話


2015年11月22日

自動車の行方

「2015年東京モーターショー」へ行ってみました。自動車は、プロダクト製品の中で、最も高い技術の塊と言って良いと思います。と言いながら、人ごみが苦手な私は、キャリア30年以上で今回が始めての見学です。自動運転が、脚光を浴びている事もあり、各社が未来の自動車をどの様に考えているか関心がありました。今回のショーを見て、概略と感じた事を書いてみたいと思います。
2015motorshow.JPG
■ベンツ社では、すでにハンドルの無い車を発表しています。同社は、車社会の新たな形として「セカンド・タスクスペース」を提案しています。日産とトヨタも同種の今回のショーで発表しましたが、グーグル社が、ハンドルの無い車を先行発表したので「出遅れちゃまずいぞ、作っちゃえ」の感はいさめないのが少々残念です。
さて、自動運転の車についてなのですが、
私は「自動運転の車」を大歓迎したい一人です。理由は、簡潔で、自動車の運転が楽しいと感じられないうえに「出先で旨いものを肴に一杯やりたい」と言う理由です。そもそも私は、「車は移動手段」と認識していますので「自動運転の車」が、実現したら観光バス気分でどこへでも行けますので、大歓迎なんです。しかし、残念ながら「万が一の事故の責任は、、、、、」の法整備がしっかりするまでは、実現は難しいと思われます。
ですが、高齢化が進行している日本では、確実に自動運転への移行は必要で、その時は、車と人が運転する車と混在する事になります。
悪意のある人は確かに存在するし、善意の人でもヒューマンエラー(ぽかミス)を起してしまうことはやむを得ない事で、それをなくす事は不可能だと思います。
ですので、
私にとって、自動運転はとても有り難い事ですが、やっぱり「手放しでは喜べない進化」なのです。

■デザインでは、今回はスバル社のぶれないデザインが気に入りました。
subalu.JPG
■YAMAHAのコンセプトカーです。以外なデザインでしたが、いよいよ量産でしょうか?
yamaha.JPG

2015年7月 7日

採択の極意

企業の皆さんは、補助金・助成金の申請を経験されている方も多いと思います。「評価はどんな基準なんだろう」と感じた事がないでしょうか。
今回は、採択の極意としまして重要なポイントをお知らせしたいと思います。
先日、都内某区・企業支援課の方から「都内某区のブランド化を進めているのだが、優秀な技術や製品を認定する審査員になってくれないか」との依頼がありまして、審査員の経験させていただきました。
採択希望の十数社が企業が、各社10分間のプレゼンテーションを行い、その後審査員からの質疑応答が15分と言う流れの進行です。
この時の経験から、審査員がなにを基準に評価するのか、お知らせしたいと思います。
補助金・助成金などの申請やプレゼンでも役立つ内容ですので要チェックです。
■評価項目は、3っつです。
採択の極意.png
1.技術力(独創性・機能性)・・・・「ものづくりの基本ですね。類似技術は事前に調べておきましょう。」
2.市場性(競争力・付加価値)・・・「近年は重視されています。製品のデザインが付加価値になります。」
3.当事業への意欲・・・・・・・・・「過剰な演出は不要ですが、本気度を伝えましょう。」
斜体部は、筆者追記
中小規模企業では、製品開発の費用が負担となって、優れた技術があっても製品の完成度が十分でない状況が少なくありません。
上記の3っつのポイントを参考にして、補助金・助成金などの応募要項の記述やプレゼンに生かしていただけたら幸いです。

2015年1月 4日

フィリップスの試み

「あ~~~~~、こんな本があったんだ!」と感じた良質な本に出会いました。ビジネス本の範疇に入ると思いますが、なかなか「深い話」も載っていて私の愛読書にもなっています。今回は、特に印象に残った一冊を紹介します。
ハーバード・ビジネス・レビュー 2012年8月号【イノベーション実践論】http://www.dhbr.net/ud/backnumber
この号で特にフィリップス(拠点オランダ,アムステルダム)の医療部門での取り組みは、患者目線のアプローチとして手本になる試みで「これなんだよな、、やっぱり」と感じさせる内容でした。内容を要約すると「子供が治療を受けた経験がきっかけで、後々までストレスとして心に残ってしまう事を何とかしよう」と言うテーマでプロジェクトが進行するのですが、子供の側に徹した目線で取り組んだ経過が書かれています。このテーマを任されたのが、同社のデザイングループでした。経営責任者が、デザイナーの能力と可能性を熟知していればこそできる決定だと思われます。

ハーバード・ビジネス・レビュー.jpg

私も医療機器の開発の経験が有りますが、「患者目線でデザイン」する事を実践していました。開発者(設計者)は、医師が使い易い機器にする事に注視しがちです。患者は、誰でも「大きな不安」を感じて治療を受けます。この「不安」を少しでも軽減する機器にする事は、デザイナーの役割です。こんな事を再認識させてくれる一冊でした。
どうぞ、本年もよろしくお願いいたします。

2014年9月 1日

BtoBとデザイン

色々な所からご依頼いただき「デザイン」のお話をしていますが、今回は「BtoBでデザインは必要なのか?」と質問される事が多くありますので、お答えしたいと思います。
始めに、
BtoCの場合、製品のデザインは販売に大きく影響しますので、重要な事はご理解いただいていると思います。
では、BtoBの場合はどうか、、、。
製品のデザインが直接的に販売に繋がるとは言えません。では、なぜデザインか?と言う事になります。
私は、BtoBの業態でデザインが、企業の発展に貢献できる要素は以下にあげた3っだと思っています。
1.独自性の確立:製品の独自性を確立して他社との差別化を図る事ができます。
2.市場の拡大:既存のマーケット以外にビジネスチャンスが広がる可能性があります。
3.社員の意識向上:プライドの持てる製品にする事で社員のモチベーション向上に繋がります。
これらの事は、デザインが実現できる事なのですが、同時に「企業ブランド力を高める」ための重要なファクターである事にお気づきいただけるでしょうか、、、、。
特に[3.社員の意識向上]は、ものづくり企業にとって生命線と言っても過言ではありません。実は、BtoBの業態でデザインの重要な役割は「企業ブランド力を高める」事に有るのです。
※BtoB=Business to Business,BtoC=Business to Consumer
東京エルグデザイン二階堂隆
私が協力した企業での体験を一つ紹介したいと思います。
■A社(工場内で使用される専用機を製造販売)での体験
A社では、自社製品のデザインを設計者が担当していました。タッチパネルのアイコンも同様でした。製品のパンフレットも印刷会社に一任に近い状態でした。当然ですが、製品の持つ優れた機能(品質)が伝わるものではありませんでした。
デザインのご依頼を受け、ブランディングを視野に入れたデザインを提案し量産化する事ができました。完成したデザインを社内の主なスタッフにご紹介する機会があったのですが、プレゼン後に営業担当の方から「これで自信を持って営業できます!」と力強い一言をいただきました。又、設計担当の方からも「やっぱり違うな」と喜んでいただく事ができました。デザインの価値を理解していただけたと感じる瞬間でした。今後この企業さんでは、製品デザインの統一化や質の高いパンフレットの実現に取り組んで、ブランド力が強化されて行くと確信しています。

BtoBの業態で「企業の独自性」を打ち出して行くのは簡単な事では有りません。ですが、デザイナーとコラボする事で克服できる課題でもあります。
「機能は良くて当たり前」の時代になり、機能(品質)+αの付加価値が求められる時代になっています。デザインを導入する事で解決できる問題が少なくありません。
これからもプロダクトデザイナーの立場で、真面目にものづくりに取り組んでいる企業の方々に、[企業ブランドとデザインの密接な関係]を根気強くお伝えして行きたいと思っています。

2014年3月27日

操作の進化形

「製品開発には、企画段階からデザイナーを参加させる事が重要ですよ」と普段から言っているのが、届いたのでしょか、、、。首都圏産業活性化協会から「埼玉大学の研究会でインダストリアル・デザインについて講演をして欲しい」とのご依頼をいただき、2月25日に埼玉大学で講演いたしました。聴講者の皆様は、埼玉大・綿貫先生の研究を導入した製品開発に取り組む企業の方々です。
講演では、デザインの基礎的な事、製品開発の具体例、デザインと企業の成長戦略、などについて1時間ほどお話をしました。聴講していただいている皆さんにも、「製品デザインをやってみる」コーナーを設けて体験していただきました。
講演後の質疑応答では、「(私のデザインに)その形状は、どのような発想から来たのか」「これから物はどう進化して行くと思うか」「デザイナーのパテントは、どの様になっているか」など、多くの質問をいただき、なるべく分かり易くお応えしました。
東京 エルグデザイン プロダクトデザイン 二階堂隆


私の講演後に研究会の発表の中で「ものは、無意識に使える事が望ましい」との発言が有りました。
「ん、、、良いぞ、それ!」ピンと感じる言葉でした。
すでに「スマホ」では、その時代入っていて、MacとiPhone愛好家の私は、強く実感できる事でした。
操作パネルやボタンの文字を大きくして「使い易いでしょ」と安易に済ませる時代は終わっています。
東京 エルグデザイン プロダクトデザイン 二階堂隆


高齢化社会に向かっている日本には、とても重要なテーマになります。言い換えれば、オペレーション・バリアフリーと表現しても良いと思います。
皆さんに伝える役でしたが、私が再発見をさせていただきました。
参加企業の皆さんと綿貫先生に感謝です。
そして、この研究会から新製品が生まれる事を期待しています。

2014年2月21日

プロダクト・アウト

「ものづくり」では、「プロダクト・アウト」「マーケット・イン」と言う考え方を知っていると商品の性格がはっきり見えてきます。
iPodに取って代わってしまいましたが、ソニーのウォークマンは、プロダクト・アウトの典型的な商品でした。(iPodもiPhoneへ吸収されて終焉を迎えつつあります。)
「売れるかどうかは、解らないけどとにかく造ってみたいんだ!」と言う情熱を優先して市場に投入される商品です。世の中に無いものを商品化するのですから、事前のリサーチもほとんど不可能で、とてもリスクの高い行為です。近年では、パーソナルコンピュータのMacが代表的な商品です。デザインも洗練されています。近頃では、お掃除ロボットは「プロダクト・アウト」に当たる商品です。一般の家庭用のロボットとして歴史に残る逸品です。

東京 エルグデザイン プロダクトデザイン 二階堂隆 


「プロダクト・アウト」=「恒久的な価値を創り出そうとする本能」
プロダクト・アウトは、情熱を商品にする事です。しかも見返りは期待できない、、どう考えてもお利口はやらないです。ですが、このお利口でない人が時代を変えて行くんだと思います。邪念の無い気持ちで作り出されたものは、何かしら魅力を持ち合わせているものです。売れるかどうかは別ですが、、、。そう言えば、G-SHOCKもプロダクト・アウト型の商品です。私を含めて3人が、それぞれの分野で真剣に創った商品だったけど、、、、、、、確かに3人ともお利口じゃなかったな。

東京 エルグデザイン プロダクトデザイン 二階堂隆

2014年2月 1日

エンジニアとデザイナーの違い

今回は、エンジニア(設計者)とデザイナーの違いについてお話したいと思います。
「昇降テーブル」の例でご紹介します。
このテーブルは、福祉施設で車椅子で生活されている方が、身長に合わせて食事ができる様に天板が上下できる構造を持ったテーブルです。
画像・左のテーブルが、デザイン前の製品で、右側がデザイン後です。
エンジニアは、[天板が上下する機構][耐久性][コスト]などを考えて設計しています。手動でスムーズに上下する天板構造や、使用者への配慮、耐久性も充分で目標を高い次元で実現しています。機能的には、充分に満足するものとなっています。
ですが、、、、、何か「不自然なもの」を感じないでしょうか、、。
デザイナーの私は、どう考えてデザインするか、このテーブルでの体験でお話します。
このテーブルの使用目的をお聞きしながら、試作品(下の画像・左)を拝見していたのですが、まず感じた事は、「このテーブルが食事に相応しいだろうか」と言う事でした。
もし自分がこのテーブルを使って食事をする立場だったら「どんなデザイン」が相応しいか、と思考しました。
そして、デザインしたのが右側の製品です。(製品は、提案時から更に改良されています)
東京 エルグデザイン プロダクトデザイン 二階堂隆


エンジニア(設計者)とデザイナーの違いは、「考え方」の違いと言えます。
製品に対するアプローチが違うも言えます。
エンジニアは、具体的な事柄の実現に向けて考えを巡らし[形]にして行きます。
デザイナーは、(必要条件を守りながら)どの様なテーブルなら[食事が楽しくなるだろう?]とイメージして、つまり抽象的な事柄を実現に向けて考えを巡らし[形]にして行きます。
東京 エルグデザイン プロダクトデザイン 二階堂隆 


製品こぼれ話:日本の色々な施設で使われる様になってきました。製造・販売している
会社の社長さんから嬉しい報告をいただきました。
このテーブルを使っている施設から「今までは、補助がないと食事を取らなかった方が、自分から積極的に食事をする様になった!」との報告でした。
デザインには人を元気にする力がある!」と感じた嬉しい瞬間でした。

2014年1月18日

関サバ・関アジ

しばらく前のお話になりますが、居酒屋で「関アジ有り〼」とお品書きに載っていると
「おっ、珍しいな、、、ちょっと頂戴してみようか」となったものです。
そして「ん~~っ、やっぱりひと味違うな~~」とお酒も進むわけです。
このまま行くと「グルメ系」の流れなのですが、実はいわゆる「ブランド」
についてのお話です。


先日、専門機器を製造・販売されている経営者の方から
「自社のブランド力を高めたい」と言うお話がありました。
改めて「ブランド」についてご説明したいと思います。
一言でいえば、「ブランド」=「約束と信頼」と言えます。


「ブランド:BI (Corporate Brand Identity)」を分解すると、
1.PI(Product Identity):プロダクト アイデンティティー
2.VI(Visual Identity):ビジュアル アイデンティティー
3.Com.I(Communication Identity):コミニュケーション アイデンティティー
の3つの要素で出来上がっています。

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色々な手法を知る事は大事なんですけど、
最終的にはやっぱり「社員の方の意識」しだい、、、、と感じます。
※掲載の図表は、全て二階堂隆の作成によるものです。
※Bland :本来は自分の牛を区別するために押した「焼き印」と言う意味です。
もっと詳しく知りたい方はこちらまで。

2014年1月 9日

新コーナー始めます

エルグデザインの二階堂 隆です。
今春からこの「隆の四方山話」を始める事にいたしました。
デザイナーとして中小企業の方々と仕事をしながら、今も色々な方と会って多くの事を
教えていただいています。
「これは覚えておいた方が良いな!」と思う事が沢山あります。
思いつくままに、「隆の四方山話」で※99.7%の皆様へお伝えしたいと思っています。
仕事での体験談や一般にはなかなか公表されない「逸話」や「デザインのネタばらし」
など交えながらお話しようと思っています。
どうぞ気楽にお付き合い下さい。
※99.7%=2012年経産省公表の日本全体の企業の中小企業の占める割合