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ガンジス チャイ
2001.06.13/WED

朝4時起床。日の出前の4時45分ホテルを出てガンジス川に向かう。

ガンジス川に着いてから素焼きのカップでチャイを飲んでからカップを割った。 これはインドに行った事のある友人から聞いていて一度はやりたかった事。 衛生上の問題からそういう伝統ができたのだろうが、今ではほとんどがガラスコップが使われていて結局ここでしか体験できなかった。

素焼きのカップにはチャイがしみ込み、チャイはいつになく土っぽい味がした。 でも究極の一期一会にすごく満足して私のたった一回のチャイのために存在したカップを割って別れを告げた。

ガンジス沐浴
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ガンジスの流れはゆったりでどちらに流れているのかも分からなくなる。 岸から階段状に石段が下がって川に続いているのが沐浴場、ガート。 水は思ったよりきれいでガートを移動するための船がたくさん浮かんでいる。 観光客の舟に舟で乗り付けて来るお土産屋がいたりですごいにぎわいだ。

4人乗りの小さなカヌーの上で朝日が昇るのと同時に 沐浴を始める多くの人々を眺め 願いを込めて花と火を付けたロウソクを流した。

朝日をあびながら沐浴する人々と建物は黄金色に輝いて見える。

同時に牛も水浴びしていたし、子供達は泳いで遊んでいたし、 洗濯している人もいた。ガンジスはなんでも受け入れてくれるのだ。

水を頭につけるだけでもいいと言うので私も簡易沐浴をしてみた。 私もガンジスに受け入れられたような気がした。

ガンジス川には死体焼き場(露天で公開)があって身分の高い人はここで焼かれる。 私達が訪れた時にも綺麗な黄色の布に包まれている老女の遺体が川沿いに安置されていて家族がそれを見守っていた。

身分の低い人は近くの公共の火葬場で焼かれるそうでそうしないと死体を川に流してしまうかららしい。

露天の焼き場からは灰が風で舞い上がり私達も灰だらけだ。 ....思わず息を止たくなる。 足元は灰で滑りやすく牛フンと狭い段差道で要注意。

ここから建物に囲まれた細い路地を通って表通りに出るまでの15分間はインド体験中で一番汚くて暗くて一瞬も気を抜けないほど危険で.. ..と言葉ではとても表現できないので是非実体験して毛穴から暗黒がしみ込んで来るのを体験してみてください。

ニカさんもインドで一番凄いと感じた場所はこの路地だそうでガンジスという聖地の表裏一体の部分にこんな暗い場所があるというのが印象的だったそうです。

▲ガンジス風景



更に430km/12時間のドライブは続く
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沐浴見学後朝食を取って7時半にガシュラホへ向けて出発。
車種はインド産「ヒンダスタン アンバサダー」
http://www.asahi-net.or.jp/~FS7S-KNUZ/Amba.html(ゴトさん情報)
一見イギリス車の様でオシャレなのだけど、 車内はお世辞にも居心地が良いとは言えない。 でも「この車ならインド中何処へ行っても部品交換と修理がすぐできるから!」 という逆らいがたい合理的な理由によってこの車しか選択の余地がないのであった。

インドの高速道路は想像を絶するスリリングな道だ。

どこまでも続く畑のまん中を1本道(高速道路)が通りその道沿いだけに崩れ落ちそうな小さな家と屋台が並ぶ。 その粗末さと小ささに目を見張る。 更には難民キャンプの様なローカーストのスラムも並ぶ。
高速道路にはもちろん多くの、牛も人も自転車もラクダもヤギも通 る。

道の両側に大きな木が並んでいて幹に蛍光塗料が塗ってあるのが高速道路の証しだ。 道は広いが鋪装してある道幅は3mくらいか。 そこを各車凄いスピードで突っ走る。

相乗りの車からは人がはみ出し(運転手が身体半分はみ出していることもある..) 人は屋根にまで乗っていて今にも落ちそうだ。

トラックが真正面に大接近!ぶつかるっ!という直前にお互い少し道を外してやりすごす.. の連続で生きた心地もしない。

所々にバーストしたりかわし切れなかったトラックが 横転して積み荷が散乱している。

それでも死人が出ていそうもないのは 本当にインドには神様がいるのではないか..とフト考えていたらアラムが「インドには神様がいるんですよ。」と言った。

まるで大画面の迫力のスペクタクル映画を観ているような 風景とスピード感と危機感にお尻も宙を浮く感じで飽きる間も無く遠路12時間のドラマは続く。

▲高速沿いの街風景





▲車中からの高速風景


インドのカレー
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インドのホテルでは毎日飽きる事なくカレーを食べた。 野菜カレー、豆カレー、ほうれん草とチーズのカレー、ラムカレー、海老のカレー、etc。
つけ合わせもナン、パタタ、ライス(細長くてパラパラのヤツ)と様々。

野菜や肉の味も濃く暑さにまいった身体にもすんなり入って来る。(おかげでインドの暑さで痩せるカモという私の甘いもくろみは もろくも崩れたのであったけれど。)

それらは日本の本格インド料理屋で口にする味ととても近く 時間をかけて煮込んだものでなく手早く作った感じがしつこくなくて良い。
ただし、ホテルのボーイさん達はとても親切で、味はどうか?とか 辛くないか?とマメに聞きにきてくれた所をみると日本人向けにアレンジしてくれていたようにも思う。

私がインドの旅の中で一番美味しかったのは、ドライブの休憩中に 道沿いの屋台でアラムと運転手のラムさんが食べていたのを分けてもらったカレーだ。 ほうれん草のカレーを小麦粉を練って焼いたチャパティーにつけて蠅がたかってくるのを片手で払いながらパクついた。 ホテルのラーメンより町のラーメン屋さんの方が美味しい!という感じか、ダイナミックな力強さがあるというか、お裾分けなので有り難みが増したのか、 ウマイ!という言葉が似合う美味しさだった。

ちなみにインドにも国産ビールが有りました。 毎日飲んでいたのはキングフィッシュビール。 少し黒ビールの味のする こっくりとしたビール。やはりインドのカレーにはインドのビールが一番!

道沿いに暮らす人々
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インドの人々が一見無愛想に見えるのはシャイなだけで 実はとても人なつっこいのが段々分かって来る。

道沿いの井戸端にラジエーターに水をかけるために車を止めると 村の人たちが遠巻きにこちらを見ながら集まっている。 「ナマステ〜」の挨拶をすると皆急にニコニコして「ナマステ〜」と答えながら 近付いて来てくれるのだ。 一緒に写真撮るのも喜んで協力してくれる。

すごく貧しいのだとは思うけど、裸で遊んでいた子供達の瞳は輝いているし、 遠くから歩いて水を汲みに来ていた遊牧民のお姉さん達の民族衣装姿は エレガントで美しい。毎日が重労働と思うのに背筋がピンとして姿勢も美しいのだ。 「写真ができたら送りなさいよ〜」とは遊牧民のお姉さん、 ..なかなかの突っ込みです。

道沿いの制服姿の子供をアラムは「あれは学校に通っている生徒達です。」 と説明してくれたけど、 その生徒達の横では同じ年の子供達が遊んでいたり、働いていたり。 戸籍の無い人々が数億人いるといわれるこの国の途方も無い広さが 差別の無い教育へのさまたげになっているのかも。 アラムも日本人は全員字が読めるからうらやましい事と言っていた。

希望すれば全員学校教育を受けられる国って 実はすごい事で、当たり前じゃないんだよね。

でもヴァラナシからガシュラホへの430kmの道沿いの村々には 一度は住んでみてもいいと思わせてくれる、 都会にはない、どこか懐かしいのどかなインドがあった。 人々は素朴で慎ましく、風景にはボロ小屋さえ自然に溶け込ませるおおらかさがあった。

そんなこんなであっという間に12時間のドライブも無事終了。 朝4時から今までの密度の濃かった事..。

ガシュラホはすっかり夜の姿で迎えてくれた。

▲高速沿いの村の子供




▲水を汲みに来た遊牧民の女性と

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