■アユタヤ観光/7月4日

朝、母が急に「お腹がいたいから今日はホテルで休む」と言う。
昨日のタイ料理で急に辛い物を食べたショックでお腹をこわしてしまったらしい。
今日はアユタヤ観光ツアーで終日回るのでその間、ひとりでホテルに残すのも心配。
う〜ん、想定内のアクシデントだけど、どうしよう。
ホテル朝食はバイキング形式なので朝粥にして、正露丸を飲んだら、なんとか楽になったみたい。

現地ガイドさんに状況を話して協力してもらうことでなんとか決行することに決定。
悪名高いバンコクの渋滞を避けるため、ホテルを早朝6:45に出発。
豪華なフェリーでバンコクの北80kmにあるアユタヤまでチャオプラヤ川をゆったりと3時間弱のクルージング。
近代的な高層ビルの合間に華燭な寺院がのぞき、水際には水上生活者の小屋がずらっと建ち並ぶ姿はあまりに対照的だ。
外のデッキに一部柵の無い所があり、母が8m下の川へ転落しそうになる。どうやら今日は母の厄日みたい。
実際、水上生活者の生活排水が垂れ流しのこの川にフェリーから落ちたら、生きて帰れなかったかも。くわばらくわばら。

最初に訪れたバーン・パイン離宮は広い公園の中にある世界の建物めぐりみたいな感じ。
母の体調も考慮してB400で園内をカートで回ったがこれで大正解。
広い炎天下を移動するには心地よく風を切りながらカートで回るに限ります。 
その後、アユタヤの世界遺産、ヤイ・チャイ・モンコン寺院、プラ・マハート寺院、プラ・シー・サンペット寺院を見学。
ビルマとの戦争によって破壊された仏像や、崩れ落ちそうなレンガ仏塔がもの悲しい。
これらの建物はレンガで積んだ後、上を漆喰で塗り固めて細工するという建築法なのだが、漆喰はほとんどはがれ、中のレンガも崩れている状態。
これらはアンコール遺跡よりすっと新しい、400〜500年前のものだ。
ニカさんいわく、「古い建物の方がしっかりしていて寿命が長く、新しい建物ほど便利に造る分、柔にできてるんだなあ...」
確かに、現代の建造物が100年以上の時を重ねる事は奇跡に近いものねえ。

タイの人々は敬虔な仏教徒が多いが、お寺にはお坊さんも尼さんもほとんどいない。
男は一生のうち一度は仏門に入るらしいのだが、また社会に戻るので本格的に修行したお坊さんもいないらしいし、尼さんは離婚したりして生活できない人がやむおえずになっている場合が多いそうだ。お寺の内部も仏像も安っぽい張りぼてのようで、観光として見るには物足りない感がある。

タイでは日本の大乗仏教とは異なり小乗仏教であり、お釈迦様に直接祈るので、その課程の物はどうでも良い事らしい。
キリスト教ならばプロテスタントの考えに近いのかな。
形じゃないよ、心だよっていう感じで、寺院でひざまずいて祈る人々はとても真剣そのもの。日本の仏教よりずっと日常の生活に浸透しているようだ。

途中、予定には聞いていない日本人町跡に連れて行かれる。
16〜17世紀に御朱印貿易で来ていた日本人の町の跡らしいのだが、今は品揃えも大したことないただのお土産屋。
おまけに子孫なのか日本人らしい店員が、これは日本だったら3倍するだの10倍するだのという売り方ばかり。
暑い中わざわざ連れてこられたのに水一杯出すわけでもなし、日本人なんだから買えよ、っていう空気を感じたのは私だけではなさそうだ。
日本人のくせに日本人に甘えて食い物にするのはやめておくれ!
ここならではの良い品があったら自然に欲しくなりますから、もう少し企業努力してください。

夕食はバンコクに戻ってコカレストランにてタイ風しゃぶしゃぶという本日は盛りだくさんなツアー。
タイ風しゃぶしゃぶはタイ人には人気らしいが、どこがタイなのかなあ...っていう感じ。
確かに、野菜や魚介類が20種類ほど入っている寄せ鍋なのでまずいはずはないのだけれど、辛くないしなあ。
この暑いバンコクで冷房でガンガンに冷やした部屋で寄せ鍋するっていうのが新鮮なのかなあ。

とにかくバンコクはどこへ行っても寒くてつらいほど冷房を効かせている。ネクタイしている人なんてほとんどいない、クール・ビズの国なのにさ。もったいないの。