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2015年11月30日

マジラン・開発ストーリー

▪️青梅市内の小さな企業(株)アサップシステムとエルグデザインのコラボレーションによる製品開発のプロセスを公開します。
これは、開発者である社長自身が「熱血短距離ランナーだった学生時代に欲しかった製品:一人でも正確に測れるタイム計測機」を実現させるまでの開発ストーリーです。

デザインとともに進める製品開発のプロセスを、今後の参考にしていただければ幸いです。
(☟画像は全てクリックで拡大します)

▪️青梅市内の小さな企業(株)アサップシステムから新商品開発のご相談があったのは去年の夏。
製品のコンセプトは明快でとても完成度が高いのですが、まだ形が見えていません。
助成金のめどがつき、本年の夏から新規プロジェクトが開始しました。
当初の製品名は「AS-RUN」。以下が商品説明書の原案で、左下の緑の丸の中のデザイン開発が今回のテーマです。
身体に装着して走るのですが、この時点では既製の筐体に組み込んだ部品が既製のビニール製腕バンドに入っています。
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▪️腕に巻くタイプは、全力疾走するには固定が不安定で、ゴール時にも誤差が生じます。
それではどこに装着しよう?
頭に巻いてキリリと気合を入れる、ハチマキタイプはどうだろう?..などとホワイトモデルにて確認します。
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(隆)デカすぎるだろう...やっぱり。

▪️しかし頭に付けるにはサイズが大きすぎるので、何度も基盤や部品レイアウトを設計し直しつつホワイトモデルで確認します。
このモデルはサイズ確認の一部です。
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▪️熱く走るには、バトンタイプも有りか...!しかし、機能的に無理が生じるので不可。そして最後に行き着いたのが、日本人にとって入魂をイメージするタスキタイプです。
アイデアは思いついてみれば一瞬ですが、設計変更を重ねてここまでたどり着くのに2〜3週間はかかっています。
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(隆)気合、入るぞ〜!

▪️タスキへの取り付け方法を考慮した上で、3D CAD(CG)によるデザインの方向性が決定しました。
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▪️デザイン決定後は、基盤や組み込み部品等のサイズとの整合性を確認した上で試作用データを起こし、インクジェットタイプの3Dプリンター(外注)にてモックアップを作成します。サポート材を剥離させた後で、予算の都合で自力塗装。
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▪️3Dプリンターは肌理が荒いので完成品からは見劣りしますが、安価で日程も早く仕上がります。機能試作には十分です。
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▪️取り合えず身体に装着すべく、収縮素材を使ってタスキモデルもお手製で作成しました。
エルグデザイン開発ストーリー

▪️ついに試作モデルが完成しました。
既製色と既製素材を使っているので、色のマッチングがイマイチですが、メタリックオレンジ&ブラックのスポーティーカラーで完成予定です。これを装着して黙々と練習に打ち込むランナー、格好良いと思います。
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▪️製品説明用パンフレットもエルグデザインにて作成しました。
ネーミングも「MAZIRUN:マジラン」に変更です。
アサップ原案の「ASA-RUN」と『マジに練習に取り組むイメージを取り入れたい』という隆の気持ちがコラボして生まれました。
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試作モデルが完成し、これから実際に陸上部の練習で使用してもらうモニタリングに入ります。
11月末にパンフレットを学校に送付したところ、是非使ってみたいというご要望が着々と届いているようです。
2020年の東京オリンピックに向け、一層スポーツ熱が高まる中、2016年の量産に向けての動きが始まりました。
これからが本当の勝負です!

▪️Point-1 ・開発者の熱い思いが大黒柱。
▪️Point-2 ・製品コンセプトが確立してからスタート。
▪️Point-3 ・助成金を活用するべし。
▪️Point-4 ・作りやすい方向に安易に妥協しない。
▪️Point-5 ・ユーザー目線で考え決定する。

2016年4/月、TCN(タマケーブルネットワーク)にて、放映されました。

2015年11月29日

秋祭りと多摩川の白猫

青梅では11月も終わりに近づくと、散歩途中でお囃子の音に導かれるように、秋祭りに出会います。
こちらは22日の大門のお祭り。青梅大祭のミニチュアのような「競り合い」も見られました。
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地域ごとのハッピも粋に競い合ってます。
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今日のお囃子は、氏子の常盤樹神社のお祭りでした。
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横から覗けば地産野菜のトラック販売、ローカル色豊かです。
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もう少し遠くに行きたくなって、ここは青梅駅ホームの渋〜い待合室。
これから奥多摩方向に向かいます。
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御嶽駅で下車し多摩川に降りようとしたら、下から白猫が「ミ〜ミ〜」鳴きながら近づいて来ました。
猫と遊べるチャンス到来?!
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目の色が左右違う白い猫は、メチャクチャ人恋しい猫でした。
側にまとわりついて離してくれません。
猫恋しい私たちにはたまらないひと時です。
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後ろ髪を引かれての、さようなら。またこの場所で君を探すから、元気でいてください。
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今年の秋は暖かく、例年よりやや地味な紅葉の多摩川です。
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しかし今年の柚子は、豊作だそうです。柚子を薬味に加えると料理がワンランク上がるので、安くて新鮮な柚子は重宝します。
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本日の散歩の終着は、お決まりの澤乃井園。新酒が美味しい季節です。
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2015年11月22日

初めてのバス旅行は

旅は自分の気の向くままに、を、モットーとしてまいりましたが、この度、生まれて初めてバス旅行に参加して来ました。

参加する気分になったのは、車の運転はしなくて良いし、(ということは、途中のアルコールもOK)(*^^*)v、美味しい観光ポイントを押さえられそうだし、何と言っても気楽そう!ということで、一回くらいは体験してみよう!となった次第です。

コースは、クラブツーリズムの「世界のラン展、シクラメンなど季節の花観賞/関東最大級!約500万球のさがみ湖イルミリオン・河口湖もみじ回廊とガーデンレストランで洋食バイキング」という大層な名前のコースなのでありました。

最寄りの小作駅からの出発だったのですが、ここでビックなサプライズあり!
....は、とりあえず今は置いておいて...

最初に巡ったのは河口湖畔のもみじ回廊です。
もみじの盛りはやや過ぎていましたが、周辺はお祭りムードで歩くには楽しいコースでした。
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近頃のドンヨリした空模様とは打って変わった晴天にも恵まれて、富士山もクッキリです。
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こちらが今回のツアーの添乗員さんで〜す!
実はこれがこの旅最大級のサプライズ。
彼は、以前に勤めていた会社の同期入社のSさんでした。
集合場所で久々に再会してビックリ!
Sさんは設計者で、中国でも5年間指導をしてきたツワモノですが、定年をきっかけに、旅好きを生かして華麗なる転職です。
まだ経験は10回ほどの新米添乗員ですが、これまでの人生経験を生かしてベテラン添乗員のごとくきめ細やかなお世話をしていただきました。
添乗員さんとお客さんごっこ、を楽しんだとも言えますが..。
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ランチは、「シルバンズ」という地ビールが美味しいレストラン。
バス旅行の醍醐味で、手作りビールとたっぷりなイタリアン料理のバイキングをいただきました。
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ツアーには付き物のお土産屋さん巡り。山梨の宝石店です。
宝石には縁がないので、(売り子さんには申し訳ないのですが)原石見学を楽しんで来ました。
こちらは時価総額1億円の日本最大級の紅水晶。石からパワーを感じます!
とは言っても、1億円で買う人がいるはずなく、小さく分けてしまっても価値がなく...結果、高額な看板という落ち着きどころ。
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こちらは紫水晶の原石です。グロテスクでクール。
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ハーブ園を回った後は、本日のメインイベント!
さがみ湖イルミリオンの幻想的な夜景です。
LEDによるイルミネーションは、いかに奥行き感を表現するのがポイント。
広大な敷地に、これだけの夢の園を作り上げるのは大変だっと思います。

3連休の初日もあって、会場は大変な混雑でした。
相模湖の近辺で、550万球/関東最大級というのは、失敗を恐れない覚悟が必要だったと思います。
勝負に出るには、中途半端でないことが大切だと感じます。
(☟クリックで拡大します)
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10時出発の旅は、途中の渋滞もあってツアーが解散したのは夜の10時。
旅の最後の締めに、添乗員のSさんと打ち上げして帰宅は午前様。
Sさんと最後に飲んだのは、15年以上昔のことになるかなあ。
立場は変わり、年も重ねたけど、関係は全然変わらない、同期って良いなあ。

バス旅行がくれた思わぬハプニング。
人生そのものが、旅なのだ。

自動車の行方

「2015年東京モーターショー」へ行ってみました。自動車は、プロダクト製品の中で、最も高い技術の塊と言って良いと思います。と言いながら、人ごみが苦手な私は、キャリア30年以上で今回が始めての見学です。自動運転が、脚光を浴びている事もあり、各社が未来の自動車をどの様に考えているか関心がありました。今回のショーを見て、概略と感じた事を書いてみたいと思います。
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■ベンツ社では、すでにハンドルの無い車を発表しています。同社は、車社会の新たな形として「セカンド・タスクスペース」を提案しています。日産とトヨタも同種の今回のショーで発表しましたが、グーグル社が、ハンドルの無い車を先行発表したので「出遅れちゃまずいぞ、作っちゃえ」の感はいさめないのが少々残念です。
さて、自動運転の車についてなのですが、
私は「自動運転の車」を大歓迎したい一人です。理由は、簡潔で、自動車の運転が楽しいと感じられないうえに「出先で旨いものを肴に一杯やりたい」と言う理由です。そもそも私は、「車は移動手段」と認識していますので「自動運転の車」が、実現したら観光バス気分でどこへでも行けますので、大歓迎なんです。しかし、残念ながら「万が一の事故の責任は、、、、、」の法整備がしっかりするまでは、実現は難しいと思われます。
ですが、高齢化が進行している日本では、確実に自動運転への移行は必要で、その時は、車と人が運転する車と混在する事になります。
悪意のある人は確かに存在するし、善意の人でもヒューマンエラー(ぽかミス)を起してしまうことはやむを得ない事で、それをなくす事は不可能だと思います。
ですので、
私にとって、自動運転はとても有り難い事ですが、やっぱり「手放しでは喜べない進化」なのです。

■デザインでは、今回はスバル社のぶれないデザインが気に入りました。
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■YAMAHAのコンセプトカーです。以外なデザインでしたが、いよいよ量産でしょうか?
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2015年11月15日

エルグデザイン・秋の庭

今年は雨の多い秋になりましたが、今日はやっと太陽に出会えました。
...と喜んで洗濯物を外に干し、外出している途中に、突然大降りの天気雨。
乙女心と秋の空の無慈悲さを思い知らされました。

エルグデザインは、雨の合間をぬって少しづつ庭の冬仕度を始めています。

ゼラニウムは、春と秋の二回盛りが来ます。
この赤い色は、心に元気を与えてくれるビタミン剤。
青梅の寒い冬を越して、来年も花開いてくれますように。
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オキザリスは、手入れもいらず、春から初冬まで良く咲いてくれる逞しい花です。
おまけにこの美しさ!庶民の庭の花の鏡です。
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エルグデザインのピラカンサは、赤と黄色の二色立てです。
南天や万両の赤い実はすぐに鳥の餌になってしまうのに、これだけは見事に残っているところをみるとよっぽどマズイのでしょう。
マズイゆえに美しい...、考えさせられます。
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事務所のドアを飾る冬の顔は、ビオラです。
3株植えて、ひと鉢でワンコイン。
これから5月末まで、半年の間楽しませてくれるんですから、鉢植えの花はお得感があります。
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積もる落葉と沙羅の影。
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虫喰い枯葉も、鮮やかな色が絵になる季節です。
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今日は、少し気を許すと全身に侵略してきそうな風邪菌と戦っています。
日が沈むと急に冷え込む季節です。
皆様も暖かくしてお過ごしくださいね。

2015年11月 7日

手作りモックアップ

プロダクトデザインでは、形状を確認する為に「モックアップ」を作ります。デザインに馴染みの無い方には「外観形状確認用の模型」と表現した方がわかりやすいですね。

これが、リアルで仕上げの美しいものは大変な技術と手間がかかると同時に、当然大変な高額でもあります。
腕時計をデザインしていた当時は、作成費用が一本100万円を軽く超えるという噂のモデルもありました。
中身は空っぽなのですが、本物の時計がたっぷり買える...どころか、車も買える価値です。

しかし高額試作費は、中小企業のモノ造りにとっては夢の価格。
そこはなんとか節約して、浮いた費用を他に回したいところです。

そんな中小製造業の強い味方が「東京都産業技術研究センター」
3Dデータを持参すれば、3Dプリンターなどでの試作に、格安で協力してもらえます。

しかし3Dプリンターの残念な所は、仕上がり面が荒い事。
成形したものを持ち帰った後には、丁寧に洗浄し、何度もサーフェイサーをかけ、磨きを入れてから塗装します。
このダンボールの塗装ドームも、ニカさんのお手製です。
折りたたみ式で、コンパクトに収納可能のスグレもの。
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ドームの中はこんな感じです。
吹けば飛ぶような段ボール。
塗料が乾く途中で、強風で飛ばされない事を祈るばかりです。
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一方、上のモデルにつける身体装着用のストラップの試作担当は私です。
ミシンであれこれ試行錯誤。
趣味も、思わぬところで役に立つものです。
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上のモデルは、地域の小さな企業の商品企画への協力です。
アイデアと機能がとてもユニークで、将来性がありそうです。
「装着方式の検討」「外観デザイン」「モックアップ作成」「ネーミング」「パンフレットデザイン」「キャッチコピー」まで全てエルグデザインによるトータルデザイン!

製品化成功の暁には、きっと一層元気な企業になってくれると思います。

下の、スチレンボード(厚さ3〜5mmの、紙とスチロール樹脂のボード)を使った、こんなモックアップもニカさんのお手製です。
こちらは「このままの設計で進めると、こんな形状になってしまいます」という確認のためのモデルです。
モックアップを作る意味合いも様々です。
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手作りモックアップは、完成度や美しさではプロの技にはとてもかないません。
しかし、作る経過で調整が効く事。視覚的・体感的に確認でき製品化が想定できるという安心感は必要不可欠です。
見た目も綺麗なパーフェクトモデルも良いですが、多少不細工でも明るい未来を見据えるのは大切な事だなあ...と思うこの頃です。

2015年11月 1日

想う秋

すっかり朝夕の冷え込みが本格的になってまいりました。
季節はめぐり、特に中年以降の秋は、物思う季節でもあります。

若い頃に比べて、年を重ねると「不安感が増す」ように感じます。
その原因を私は、年を重ねる毎に不幸な情報(天災・事故・事件・犯罪・不運・貧困・病気・etc..)が自分の中に蓄積され、
世の中はこんなにも理不尽で不幸な事に満ち溢れていたのかとういう悲しみを知ってしまう事
そして年を重ねる毎に、数学上も自分の身に不幸が降りかかる確率が高くなってくるので不安感が増すのだと思っていました。
だからこそ、「今日の無事に感謝する事」が自然とできるようになるのは、年を取った証でもあるわけです。

でもニカさんに聞いてみたら、全然違うのです。
ニカさんの不安の元は「年を取ると残りの時間を考え、仕事の上での失敗が許されなくなるから」なんだそうで、他は人生の不安とは関係ないそうなのです。
人の価値観ってなんて違うものだろう..、(変人だとは思っていましたが ←ニカさん)今更ながら唖然とします。

先週の「カンブリア宮殿」にデザイナーの梅原真さんが出てお話しされていましたが、とても共感するものがありました。
梅原さんのパッケージデザインに対して、こちらは工業デザインの違いはあるのですが、ニカさんのいつもの考えに、とても近いものがあります。
地方の「底辺にある産業が元気になる事」を目標にしているのも同じです。
エルグデザインも、小さな製造業と一緒に幾つかのプロジェクトを進めていますが、とても良い刺激をいただきました。
自然やモノの本質から発想して行くのも、田舎暮らししかできないのも似ているかも。

人生の不安感は、何かに夢中になっていれば自然にぼやけてしまうもの。
あーだ、こーだ、と想うより前に、動く事が一番なのだという事なのでしょう。

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写真はいつもの霞川沿い散歩道からの小さな富士山。(富士山、どれでしょ?)