台湾/高尾・台北

高尾の朝、清々しい寿山公園からは、高尾(都会です)の街並みと港が一望できます。
公園内、中国宮殿建築様式の忠烈祠(台湾愛国の英霊を祀った社殿)には、太平洋戦争や、中国軍が日本軍を武装解除する様子などの歴史的写真が飾られています。

ニコニコ笑っていて写真に収まっていて良いものなのか…。

高尾から、台湾新幹線で台北に戻りました。
ふと中国新幹線の不安がよぎりましたが、駅は整備され新幹線の車両は日本製で安定感がありました。
台湾はどこに行ってもセブンイレブンが目立ちます。駅の中にも数箇所ありました。覗いてみるとおでんや三角パックのお握りなど、日本のものと同じ品揃えが目立ちます。
でもおでんの中身と味は少々異なるかも。

台北の中正紀念堂(初代総統である蒋介石の顕彰施設で「中正」は蒋介石の本名)です。
陵墓のため、これまで観て来た台湾の建造物と比較するとかなりシックな趣です。

中では蒋介石を記念する品々の展示や、儀仗隊の交代儀式が観られます。
儀仗隊は、ビシッと立ったまま1時間、微動だにしません。
ハエが鼻に止まったとしても、目も動かさないことでしょう。
体脂肪は、ほとんどゼロ状態。一時間毎の交代のため動き始めても、その動きはサイボーグのようです。ストイック過ぎます。
名誉ある仕事とはいえ「Youは、なぜそのお仕事を?」と問いかけてみたくなるのでした。

この後、「北投石」という、ラジウムを含み免疫力を高める効果のあるパワーストーンのアクセサリー店に連れて行かれました。
入店と同時に、25名ほどのツアー客は大勢の女性店員に囲まれます。
グレーの石玉ブレスレットは、普通品で5万円、お勧め品は10万円ほどで(もちろん上級品は計り知れず…)、なんと効果は800年も持続するそうです…。
私は逃げ抜けましたが、ツアー仲間の奥様方の半数以上が熱に浮かされたように購入されていました。
真じる者は、救われる!?

台北からバスで1時間半ほどで、人気の観光地、九份に到着しました。
山の斜面にある、19世紀末に金の採掘が開始されたことに伴い発達した街で、金鉱の閉山によって衰退しましたが、1990年代からノスタルジックな風景で人気が再来し、今ではどこも人で一杯の人気スポットです。
あいにくの雨になりましたが、それもまた風情。
雨でなければ霞の向こうに海が臨めたはずなのですが。

細い石段が150段以上続き、その周りに食べ物やお土産の店が並びます。
「千と千尋の神隠し」のモデルになったという噂があり土産物店には、キャラクターグッズが並んでいました。

九份で郷土料理店の夕食をいただきました。街並みの怪しさとは対照的に、店内は清潔で落ち着いた雰囲気で料理も美味しくいただきました。

台湾の夜は長いです。
九份の後、連日で夜市に出かけました。台北の土林夜市です。
土林夜市は、人でごった返すアメ横のような店が迷宮のように広がる上に、地下街もあります。

散策中は、ヴィトンのバックを持った売り子さんが日本語で「これ、ニセ物ですが、いりませんか?♪」…怪しいんだか、馬鹿正直なのか…。

1時間半の自由行動はスマホを頼りに歩きましたが、やはりツアーメンバーの中では集合時間に戻れない迷子も出て、皆に気をもませてくれました。

夜市の中にある「士林慈諴宮」は、夜でも参拝客が絶えない台湾色の濃い印象的なスポットでした。

あっという間に、3泊4日の旅は最終日を迎えました。
予想外に良かったのは最終日のメイン、故宮博物院です。

広々とした建物に、圧巻の量で最高質のお宝が整然と展示されていました。
元々中国の紫禁城にあったお宝が、蒋介石率いる国民党と共に台湾に移送されたゆえに、文化大革命の難を逃れたものです。

貴石の彫り物、古い焼き物、を始め古代の青銅器、書、絵画、木彫り、家具など種類は豊富でCGを使ったコーナーなど、工夫も凝らされていました。

150分では物足りなく、1日がかりでじっくり観たいスポットでした。

台湾は、どこも想像以上に街は都会でした。
この20年ほどで古い建物は壊され、どんどん新しい街に生まれ変わっているそうです。
吉野家、大戸屋、丸亀製麺などの外食産業や、ユニクロ、無印良品などの馴染みのお店も目立ちます。
台湾の車は右側通行なので少し戸惑います。どこへ行ってもバイクが多く、道は人の通るスペースに困るくらいです。
食堂も、堂々と歩道にはみ出して店を拡張しています。
そして、一番戸惑ったのがトイレ事情です。トイレは清潔ですが、紙は流せずポットに入れます。
2〜3年後には改善するそうなので、期待しましょう。

台湾では、中国や日本の占領や政治的対立の影響が、今も文化や生活に強く残され、微妙なバランスの上に成り立っていることを感じました。その歴史を、新しい信頼関係で変えて行けるおおらかさも感じました。

観光客相手のお店では、日本に何度も行ったことがあるという店員さんが多かったです。
日本からの修学旅行生もたくさん見かけました。

この友好的な関係をずっと続けたいと感じる暖かい国でした。 

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コメント

  1. カネゴン より:

    台北は懐かしいよ。
    中正紀念堂の中は、なかなかの見どころがあったんだね。
    外だけ見て「次に行こう~」って通過しちゃった。
    故宮博物館は良かったよね。
    私は白菜が気に入っちゃって、ストラップ買っちゃったわ。
    故宮博物館の喫茶で食べた飲茶も美味しかったよ。
    土林夜市にも行ってみたけど、凄い人で、スリにあわないように
    しなくっちゃって必死だった…
    九份って、すごく雰囲気がよさそう、確かに千と千尋の雰囲気だわ。

    ブログで様子が分かったけれど、今度、ゆっくり会って話を聞きたいよ。

  2. アトム より:

    後半は九份、故宮博物館、市林など楽しそうですね
    セブンイレブンでお茶のペットボトル買うと基本は砂糖入りで戸惑います

    数年前の2月カミさんと息子が2人で台湾に行った時
    「この日の便が偶然空いてるラッキー!」と個人旅行で行ってきましたが
    旧正月でどこも店が閉まっていて・・・
    「そうだったんだ」と現地に着いてから肩を落としてました(^^;

  3. ヨシコ より:

    カネゴン
    ガイドさんは、白菜は宝物としての価値はそんなに高くないと言っていましたが
    やはりインパクトあるよね。
    思ったより白菜の厚みはなかったけど、葉っぱにバッタとキリギリスが細工されて
    マニアックだったなぁ。

    そうそう、台湾は比較的治安は良かったけど
    スリには気をつけて、人混みではリュックは前に抱えて歩いたよ。

    一番印象的な風景は、やはり九份かな。
    世界中でここにしかない別世界だったよ。

  4. ヨシコ より:

    アトムさん
    やはり台湾らしさの濃かったのは夜市と九份でした。
    ペットボトルのお茶に砂糖が入っている件、
    聞いていたので、一度飲んでみれば良かったかな。

    奥様は、息子さんと台湾に行かれたのですね!
    店が閉まってガックリしたのも、懐かしい思い出かな?(^-^;).. 
    今回も4組の親子グループがいました。
    どこも子供の方が、親を孝行&介護する旅のようでした。
    奥様、楽しかったことでしょう!