知財センター:ブランド塾報告

東京都知的財産総合センター(秋葉原)からの依頼でセミナーの講師をしました。参加していただきました皆様、お疲れ様でした。 メインテーマは、「中小企業のブランド戦略」についてです。
五回連続で、様々な視点からブランディングを構築するための講義が行われました。 私は「デザイン戦略」と言うテーマで、自身が手がけた仕事の中から四つの異なる企業で製品化された事例を上げてお話しました。

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セミナーの内容は、より実践的にという狙いからG-SHOCKは割愛しましたが、2008.11.16東京都中小企業振興公社でのセミナーとほぼ同様ですのでそちらの報告を参照して下さい。 今回のセミナーは、十数名のゼミに近い感覚で行われましたので、参加された方同士も自然に顔見知りになって、活発な意見が交わされました。

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今回の報告は、セミナーで印象に残ったお話をご紹介したいと思います。 言ってみれば「セミナーこぼれ話」と言うところでしょうか。

1. Do it myself 型のAさん 質疑応答の時間でAさんが発言されました。 Aさんは、自分で製品の企画・設計・デザイン・営業、全部一人でこなしているとの事で「自分でできるんだから、高い費用を掛けて外注する必要は無い」というご発言でした。 慣習の様に「デザインはデザイナーに頼んで、、、」と思ってしまっていますが、思い返してみるのも大切です。「自分で作って自分で売る」形が分業化して、今の様な経済構造になった事を考えると、Aさん流 Do it myself 型のやり方はあると思います。 ここでポイントですが、Aさんの開発されている製品は機能性とコストが最優先に求められる製品であることです。 デザイナーが関わる事でスタイリングや使い勝手はアップしますが、それによって製品の価値を大きく変化させるのは困難に思われました。 物によっては、デザイナーを必ずしも必要としないものもあります。 自社製品の可能性を客観的に見極めるためにも、今回の様なセミナーは有効だと思います。皆様もチャンスが有りましたら、デザイン関連のセミナーに参加してみて下さい。 公社のセミナーは、費用が安い割に中身が濃いので、先ずはこのようなセミナーを受講して情報を仕入れてみてはいかがでしょうか。

2. C I (Corporate Identity )の事で質問されたBさん Bさんは、会社役員でいらっしゃいます。社長の交代を機に、社長自身がCIを進めているが 円滑に進めるにはどうしたら良いかとの事でした。 短い時間の中でお答えするのは困難ですので、私が感心した C I の事例のお話しをしました。 ある会社でロゴなどを刷新して C I を行い、その時に記念碑を建ててそこには当時の社員全員の名前を彫刻したと言う事例です。 社員全員で生まれ変わろうと言う決意が強く表現さていると思います。 私は C I と聞くと、この事を思い出します。 3. ブランドについて私が思う事 実のところ、私自身はいわゆるブランド品には無関心な人間です。 ですが、優れた製品を造っている企業が、相応に評価され恒久的に存続する方法論として ブランドを考える事が重要だと感じています。 プロダクトデザイナーも製品をデザインする時には、その会社のブランドを意識しなくてはならない時代になって来ています。 Product Identity(製品),Visual Identity(ロゴなど),Communication Identity(ホームページなど)の三つのエレメントを総合的に又、効果的に実行する事がブランド力を確立させます。 皆さんも、ご自身の会社のブランド力について考えてみてはいかがでしょう

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