BtoBとデザイン

色々な所からご依頼いただき「デザイン」のお話をしていますが、今回は「BtoBでデザインは必要なのか?」と質問される事が多くありますので、お答えしたいと思います。

始めに、 BtoCの場合、製品のデザインは販売に大きく影響しますので、重要な事はご理解いただいていると思います。

では、BtoBの場合はどうか、、、。
製品のデザインが直接的に販売に繋がるとは言えません。
では、なぜデザインか?と言う事になります。

私は、BtoBの業態でデザインが、企業の発展に貢献できる要素は以下にあげた3っだと思っています。

1.独自性の確立:製品の独自性を確立して他社との差別化を図る事ができます。
2.市場の拡大:既存のマーケット以外にビジネスチャンスが広がる可能性があります。
3.社員の意識向上:プライドの持てる製品にする事で社員のモチベーション向上に繋がります。

これらの事は、デザインが実現できる事なのですが、同時に「企業ブランド力を高める」ための重要なファクターである事にお気づきいただけるでしょうか、、、、。
特に[3.社員の意識向上]は、ものづくり企業にとって生命線と言っても過言ではありません。
実は、BtoBの業態でデザインの重要な役割は「企業ブランド力を高める」事に有るのです。
※BtoB=Business to Business,BtoC=Business to Consumer

東京エルグデザイン二階堂隆

私が協力した企業での体験を一つ紹介したいと思います。

■A社(工場内で使用される専用機を製造販売)での体験 A社では、自社製品のデザインを設計者が担当していました。タッチパネルのアイコンも同様でした。製品のパンフレットも印刷会社に一任に近い状態でした。当然ですが、製品の持つ優れた機能(品質)が伝わるものではありませんでした。 デザインのご依頼を受け、ブランディングを視野に入れたデザインを提案し量産化する事ができました。完成したデザインを社内の主なスタッフにご紹介する機会があったのですが、プレゼン後に営業担当の方から「これで自信を持って営業できます!」と力強い一言をいただきました。又、設計担当の方からも「やっぱり違うな」と喜んでいただく事ができました。デザインの価値を理解していただけたと感じる瞬間でした。今後この企業さんでは、製品デザインの統一化や質の高いパンフレットの実現に取り組んで、ブランド力が強化されて行くと確信しています。

BtoBの業態で「企業の独自性」を打ち出して行くのは簡単な事では有りません。ですが、デザイナーとコラボする事で克服できる課題でもあります。 「機能は良くて当たり前」の時代になり、機能(品質)+αの付加価値が求められる時代になっています。デザインを導入する事で解決できる問題が少なくありません。 これからもプロダクトデザイナーの立場で、真面目にものづくりに取り組んでいる企業の方々に、[企業ブランドとデザインの密接な関係]を根気強くお伝えして行きたいと思っています。

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