お見舞いと天竜峡

実家のある信州飯田市に入院中の母を見舞いに行きました。

面会には厳しい病院で、1家族につき事前に記名されている3名までがたった15分の面会しか許されていないので、車で片道4時間、1泊かけて行くのには少々遠い病院です。

しかし電話での母の様子や、お嫁さんから「お義母さんが会いたがっています」という言葉に「後悔先に立たず」とならないように重たい腰を上げました。

病院に提出した3名にニカさんは入っていませんでしたが、遠方からということで今回はなんとか面会を許してもらいました。

衰えを覚悟して面会した2ヶ月半ぶりの母は…、予想外に元気じゃありませんか。

軽い脳梗塞の後遺症で固有名詞がスムーズに出て来ませんが、昔の記憶や、普通の会話は問題なし。
歩く事もでき、目には力と光を感じます。
入院当初、母から伝わって来た悲しみや辛さも昇華したようで「もう無理して頑張らなくて良いのだ」という達観した雰囲気に変わっていました。
今まで十分頑張って来たんだから、あとは甘えて暮らして良いんじゃない?

15分の面会の制限も1時間近くまで延長してもらい、十分に語り合う事ができました。


仕事をしているお嫁さん一人の実家に泊まるもの迷惑と思い、その日は病院近くにホテルを取りました。


翌日、もう一度母と面会してから帰路につきたいと思います。
面会時間は14時から。
それまでの時間潰しに、久しぶりに故郷「天竜峡」を散策してみました。

名勝天竜峡遊歩道

鮮やかな緑に包まれた、ここが名勝天竜峡遊歩道の入り口です。

天竜峡 龍角峰

対岸の正面に見える縦長の岩は、龍角峰です。
高さ70m余の一枚岩で、天竜川の深淵に住む龍が天に昇ったときの「龍の化身」と伝えられます。

アップダウンのある遊歩道もずいぶん整備されていました。

つつじ橋

高さに足がすくむ、吊り橋はつつじ橋。
手すりが低く、揺れて怖くて下が見られません。
子供の頃から恐怖で、大人になった今でもやっぱりダメでした。

龍角峰の頂上から見た天竜川の風景

龍角峰の頂上から見た天竜川の風景です。
奥に見える橋は、姑射橋(こやきょう)です。

天竜川

遊歩道からは、天竜川の様々な風景が望めます。

姑射歩道橋

姑射橋と並んで姑射歩道橋が通っています。
この橋からなら、少し怖いけどゆっくり天竜川の風景が見渡せます。

姑射歩道橋から見た天竜川

姑射歩道橋から見た天竜川。
狭い渓谷の急な流れとゴツゴツした岩から、龍に例えられたのでしょうね。

天龍舟下りの船着場近くには、鯉のぼりが気持ち良さそうに泳いでいました。
もう5月なのね〜!

天竜峡観光案内所

天竜峡観光案内所は、藁作りの龍?がお出迎え。

確かに龍だ!
お金はかけられなくても頑張っています。

天竜峡駅

ポツンと建つひと気のない飯田線:天竜峡駅。
大学時代の帰省は、始発の新宿駅で電車に乗って、終着駅天竜峡まで6時間。
上京の際には、家族がホームで見送ってくれた懐かしい駅です。

天竜峡駅前

私たちが子供の頃は、観光客で賑わっていた天竜峡駅前も、今はすっかりシャッターストリート。…寂…。

天竜峡は景勝地で、天竜川の舟下りもでき、近隣にはいくつかの温泉施設もあります。
どうぞ奮ってお立ち寄りくださいませ。

14時を待って、青梅に帰る前に母と面会です。

昨日の事もちゃんと覚えているし、話もしっかりしてる。
目も見えているし、耳も大丈夫。
電話の声より、会って肌で感じる様子が大切なのがわかりました。

2日だけの面会でしたが、母も喜んで満足してくれたようです。
私たちも一安心。
はるばる来た甲斐がありました。

「これまで十分良くしてもらったから、死に目に会えなくてもかまわないから」と毎回言う母。
それでも「後悔する事はないか?できる事はないか?」と自問自答しつつ、取り敢えずは無事に一役終えてホッとしています。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. カネゴン より:

    良い親孝行ができたね。 
    眺めも良くて、綺麗な病院みたいだし、お母さまも元気になられてまずは一安心だね。

    ヨシコちゃん家は飯田駅の近くかと思ったら、天竜峡なんだね。
    思わず、先日買った分厚い時刻表を開いちゃったよ。
    新宿から6時間か… 私も青森から宇都宮まで7時間半かかっての帰省だったけれど、今の交通の発達から考えたら、当時は大変だったよね。
    こんど飯田にリニアが通ったら、あっという間になるね。

    天竜峡は高校の社会科の授業でやったけれど、やっぱり自然豊かな良い場所だね。
    天気も良くて、もう一泊したくなっちゃうね。
    帰りの運転もお疲れ様でした。

    今回の帰省はヨシコちゃんにとって、お見舞いの他に昔の自分探しにもなったんじゃないかな?

    • ヨシコ より:

      >カネゴン
      この病院の面会室は飯田の街並みが見渡せて気持ち良かったよ。
      母も電話の声より、実物の方が元気で、行った甲斐がありました。

      今はもう新宿から天竜峡までの直通電車は無いんじゃないかな。
      指定席があったのか?、お金がなくて買えなかったのか?、
      新宿から混雑した電車に揺られて、途中から車両に誰もいなくなって
      夜11時頃天竜峡駅に到着したのも懐かしい思い出かな。

      天竜峡は美しいところなのに、さびれちゃったのは残念。
      帰りは渋滞を避けるために、ニカさんはノンストップで運転してくれました。

      面会時間までに時間があったために、懐かしい場所を再確認できたのも素敵なおまけだったよね。
      子供の頃の自分に会えたような気もする…かも!

  2. アトム より:

    お疲れさまです。
    脳梗塞対応の薬治療で済んだのでしょうね。
    手術なら筋肉が衰えて立てなくなっちゃうから良かった。
    母親の時、血液サラサラ薬使っていると手術が難しくなったのを思い出しました。

    天竜峡のご実家にバイク2台で行った時の写真を見返してみました。
    天竜川船下りも何回か行ったよ。船上で投網打って焼鮎にしてもらって。
    吊り橋の床は当時横板で少々傷んでいて、龍角峰の写真も当然あります。

    お母さんとの会話は楽しかった頃のアルバムを持ち出して
    昔話を聞いてあげるのも良いかもと思いました。でも面会時間無いか・・。

  3. ヨシコ より:

    >アトムさん
    母は、血液サラサラの薬を飲んでいたのに脳梗塞になっちゃったみたい。
    でも本当に軽く済んで、後遺症もほとんどなかったのは幸いでした。

    そうそう、アトムさんも奥様も実家に寄ってくださいましたよね。
    観光を兼ねて、実家には元同僚が何人も訪ねてくれたなぁ。
    天竜峡の街は寂れてはいたけど、自然の美しさはそのままでした。

    アルバムを持っていく!!!
    気がつきませんでした。
    そうすればもっと鮮明に懐かしい話ができましたよね。
    次回行く時はぜひ持って行かなくちゃ。

  4. 直子 より:

    帰省してきたんだね。
    おばさんが思ったよりずっと元気そうとのことで本当に良かった。
    おばさんもどんなにか嬉しかっただろうなぁ。
    そして数々の懐かしい風景に涙が出そうだわ
    吊橋、子供の頃は渡れたけどもう渡れないんじゃないかなあ。
    中学3年の時の写生大会はここだったね。
    吊橋に座って描いている子もいたっけ。
    こうやって離れてから改めてみてみると、私たちはなんて素敵なところに住んでいたのだろうと思うよ。
    おばさん、早く退院できるといいね。
    私から言うつもりはないけど母はまだ知らないんだろうか。

    • ヨシコ より:

      >ナオチャ
      天竜峡の写真は、ナオチャに見せたくて載せたようなものだよ。
      綺麗だし、懐かしいよね。
      インバウンドのカップルが1組いたけど
      子供の頃のような賑わいがなくて、少々感傷的になっちゃった。

      母は思ったより(あの写真だとわからないかもだけど)元気で、少しずつ回復してくれています。
      でも、普通に話していてもなぜか固有名詞だけがスムーズにでて来ないので、
      友人と電話で話すのが難しくてなってしまったようです。
      なのでおばさんにも電話していないかも。
      おばさんに連絡することがあったら、ナオチャからそんな状況を伝えてくれると嬉しいわ。