遺言状・顛末記

「遺言状」と言うと、死をイメージさせる不吉な物のように思われがちですが、本当は元気なうちにこそ作成したいものです。
我が家には子供がいないのと、とある家庭の事情が生じ、この度ニカさんが公証役場にて正式な遺言状(遺言公正証書)を作成しましたので、その顛末を記録しておきます。

遺言状作成にあたっては、まず銀行で斡旋している「遺言信託」の説明を受けてみました。
遺言1.JPG

銀行では、戸籍や必要書類を集めるところから、公証遺言状の作成、最後は遺言者が亡くなった後の財産分与の執行まで一貫して行ってくれます。 しかし全てお任せの代わりに費用も高額で、120万円の基本料にその他の実費など加えると約150万円近い費用がかかるのです。 遺言状作成期間も、1〜3ヶ月かかります。 なので有り余る財産があるか自力作成が不可能ならばですが、一般にはあまりお勧めできないという事がわかりました。 でも銀行の話を聞いてみれば、遺言状作成から執行までの全体の流れがわかるので、無駄ではないです。
値段を考えれば実筆の遺言状は無料で作成できますが、どこかに不備があると無効になってしまうので危険です。
弁護士などに依頼する方法もありますが、自分達で公証役場にて作成することに決めてみたら結果は意外なほどにスムーズに完了しました。

■ 事前準備 以下の5点を準備した後、最寄りの公証役場に公証遺言状作成の予約します。
1-ネットなどの基本案をベースにして自身の遺言状のベースを作成する。
2-遺言者と相続人の戸籍を取得する。(後に返却されるので、各1部でOKです)
3-土地などの不動産のある場合は、登記簿謄本(最寄りの法務局)、固定資産評価証明書(市役所)を取得する。(後に返却されるので、各1部でOKです
4-預貯金や株式・投資信託などの金融財産の総額をある程度算出しておく
5-遺言者と相続人の相関図を書いておく。
必要書類-2.JPG

■ 公証役場:1回目 準備した書類の他に、免許証など本人確認のできるものを持参すれば、担当の交渉人が遺言内容と必要書類の確認、及び公証遺言状作成の日時を決めてくれます。 次回の正式な作成の際は2名の証人が必要なのですが、これも1回目の打ち合わせ時に依頼しておけば専門家が当日立ち会ってくれます。 ニカさんは交渉人から、横に私がいるにもかかわらず「別の女性に産ませた子供はいませんか?」と唐突に質問されドギマギしておりました。 くれぐれも交渉人からの突然の質問には、お気をつけください。
公証役場-4.jpg

■ 次回までの間に、交渉人が公証遺言状の基本案を作成し、ファックスで送ってくれますので、確認の上内容の調整をします。
■ 公証役場:2回目 公証遺言状作成の場とはどんなものかと、私も興味半分に同行したのですが、相続人である私は公証遺言状作成の場に立ち会えませんでした。 (^-^;)..  後で話を聞いてみると、証人が遺言内容を読み上げ、間違いがないか確認した後に捺印して完了です。 時間は30分程で終わります。 公証遺言状は、3部作られます。 原本1部は公証役場に保管され、残りの2部は、その日に持ち帰る事ができるので、これで完了です。

渡される1部は正本、もう1部は謄本です。 薄い和紙で製本されたもので、封はされていません。 万が一紛失した場合でも、公証役場に原本が100年間保管されるらしいので安心です。
公証遺言状-5.JPG

■ 費用と時間
1-戸籍や必要書類の取得代金。(〜数千円)
2-証人への謝金:一人¥6,000-(二人分で¥12,000-)自分の知人に証人を依頼する場合は不要です。
3-公証役場への手数料:財産によりますが、100万円までなら¥5,000- 〜 一億円までなら¥43,000-。 財産の額によって、段階的に手数料が異なります。
時間は、戸籍などの必要書類を集めるのに多少かかりますが、事を始めてしまえば1週間から10日もあれば十分です。 遺言状作成の後は、執行者に財産の内容を明記して伝えておきましょう。 ちなみにニカさんの遺言状は、相続人である私美子と同時に死亡した場合の相続人も指名してあります。

遺言状というのは、保険のようなものだと感じます。 契約する時は考えたくない未来を想像しつつ、いざという時のために準備しておくもの。 そして、作成さえしてしまえばいつもと変わらぬ日常がいつもより少し安心した気分で過ごす事ができるもの。 死んだ後のトラブルを心配するより、死んだらスッキリ片付く保証があるのは精神衛生上とても良いです。 案外、長寿の秘訣かもしれません。

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コメント

  1. 直子 より:

    私も離婚の際に公正証書作りましたよん。
    そしてやっぱり費用はそこに謳ってある金額によって違うんですよね。
    養育費が支払わなければ給料を差し押さえる、というものだったんだけど、元夫が無職だったためにただの紙切れになってしまいました。
    遺言のことなんて何も考えてないけどエンディングノートは買ってあって誕生日が来る度に書き換えていこうと思ってるのにここ数年やってないや。
    今年の誕生日には変わっているところを書き換えようっと。

  2. アトム より:

    すでに両親が亡くなっている
    一人息子の未婚の友人が言うには
    オレが死んだら横浜の実家などの資産は
    ほとんど会ったことのない親戚にいくことになっている
    と言っていました
    だったら俺にくれた方がマシだろと言いましたが(笑)

  3. gop より:

    扁桃炎でバテテます、今度詳しく教えて下さい。

  4. ヨシコ>ナオチャ より:

    養育費なくして、男の子を3人、
    立派に育てたナオチャのご苦労は想像できないよ。
    それでも、孫たちにも恵まれたこれからが楽しみだね。
    ナオチャの株は、3人の子供で山分けなのかな?
     (*^^*)
    間も無くのお誕生日もおめでとう!
    やっと追い付いてくれますね。(^.^)v  

  5. ヨシコ>アトム より:

    そういう方も多いですよね。
    知らない親戚に残すよりは
    自分が助けたい事のために残す方法もありますよね。
    自分の使いたいようにパ〜っと使っちゃう!という手もありますが
    残念ながら、いつまで寿命が続くかは誰もが予測不能で…。

  6. ヨシコ>gopさん より:

    gop家では、昔からの写真やカメラなどもきちんと残したい財産ですよね。
    マミさんも心配していました。
    お大事に。

  7. カネゴン より:

    今日はありがとう。
    楽しかったよ。
    遺言状はカネゴン家にも重要なことなので、酔いが醒めたら、
    またゆっくり読み直してみるよ。

  8. ヨシコ>カネゴン より:

    今日は、カネゴンにお礼のつもりだったのに
    かえってごちそうさまでした!
    おかげさまで楽しい週末になりました。
    お母様もお元気で、とても愉快だったですが
    やっぱり同居は大変だねぇ。 (*^^*) 
    遺言状も、旅行も、できるところから
    少しずつ計画してゆきましょうネ。 (^.^)v